フェラーリの連勝 栄光の極みへ         

 

●フェラーリの黄金期

現在でも、フェラーリは6連勝記録、ルマン勝利数9勝など輝かしい記録を保持しています。

もう少し詳しい話は、このページの車が増えてからにします。(^_^;)

 

【 1960年大会 】

 

Winner! フェラーリ250TR60

No11 ジャンドビアン/P・フレール

 

この年からGTに対する排気量規制が緩和されました。

その為、GTクラスでは、久々に大排気量のマシンが参加するようになりました。

代表的なのが、シボレーコルベット。4.6リットルが4台エントリーです。

アストンマーチンはワークスが撤退してしまい、プライベートが2台参加です。

うち、1台はあのジム・クラークがドライブします。

エキュレ・エコスからジャガーDタイプが頑張って出場していますが、苦しさは隠せません。

大会の花はなんといってもマセラッティです。

バードケージと呼ばれる「ティーポ61」を送り込んできました。飛ばし屋のS・モスがドライブします。

前レースのニュルブでは、優勝しています。

フェラーリは新ルールに従って改造したテスタロッサ5台で挑みます。

 

レース開始と同時にマセラッティが飛び出します。

グレゴリーのマセラッティの勢いはとてつもなくグングン2位以下を引き離します。

しかし、その速さもつかの間でした。

一回目のピットイン時にギヤがスタックしてしまったのです。

悔やまれるトラブルです。

こうしてトップはフェラーリに移りました。

しかし、フェラーリも楽なレースを行っていた訳ではありませんでした。

ワークスマシン3台がコース上でガス欠となってしまったのです。

フレール組のフェラーリは息も絶え絶えでピットにたどり着きますが、他の2台はリタイヤに追い込まれました。

明らかな燃費計算ミスです。

しかし他のマセラッティも後退し、燃費も再計算を行ったフェラーリはその後順調です。

マセラッティはやがてトラブルで全滅し、後は、フェラーリの独走です。

結局、フレールの駆るフェラーリは順調に快走しそのままレースを制しました。

これが、フェラーリ栄光の快進撃の序章でした。

フレールはこの勝利を持って引退し、ジャーナリストに転身しました。

 

モデルは、イクソから発売された「フェラーリTR60」です。

これはブルームのゼッケン違いを持っていましたが、優勝車は持っていなかったので素直に嬉しいです。

 

さて、モデルはそうでしょう。

イクソのフェラーリは微妙なものも多いのですが・・・・(^_^;)

このモデルは、意外にノッペリしていないので1949モデルなどに比べると、粗が目立ちにくいのですが・・・・さて!

 

全体は悪く有りません。むしろトランペットの表現など力も入ってます。

ただ、ウインド・スクリーンが高い?為かちょっと寸詰まりにも見える・・・かな?


 モデル:イクソ 1/43

  

 

(参考写真)

記述の出てくる「マセラッティ・バードケージ」です。

これは、ルマン仕様ではありませんが。

ホットホイールの「タービュランス」の原型でしょう。

 

モデル:プロゲット 1/43

 

 

【 1961年大会 】

 

Winner! フェラーリ250TR61

No10 ジャンドビアン/P・ヒル

 

この年は、マシンコンセプトの改革の年でした。

ついに、大排気量マシンもミドシップのマシンが現れ始めたのです。

まずは、フェラーリ。246SPを生み出します。

しかし、改良型の投入も怠りません。TR61を同時にエントリーです。

しつこく出場していた、ジャガーDタイプですがついに今年はその姿を消しました。

マセラッティはティ−ポ63をエントリーです。3リットルV12気筒をミドに搭載です。

 

レースは意外な展開です。

フェラーリのプライベータ出場のロドリゲス兄弟が快走します。

兄21歳、弟19歳若き新星の登場です。

ワークスのフィル・ヒル組とデットヒートを演じています。

一旦はトラブルで遅れるものの、驚く事に再び追い上げてきます。

ガス欠リタイヤの246SPを尻目に3位にまで返り咲きました。

大活躍のロドリゲス兄弟でしたが、最後はエンジントラブルでついにはリタイヤです。

フェラーリ陣営は、ロドリゲス兄弟がリタイヤして複雑な心境です。

(ワークスが負けては困るし、といっていい成績は残したいし…・(~_~;))

結局、ジャンドビアン・フィル・ヒル組のフェラーリの連勝で幕を閉じました。

ジャンドビアンは2連勝です。

 

モデル:

 

 

【 1962年大会 】

 

Winner! フェラーリ330LM

No8 ジャンドビアン/P・ヒル

 

更なる勝利をねらうフェラーリは、330LMをエントリーです。

昨年快走した、ロドリゲス兄弟は、今年はワークス参加します。

 

マセッラティはフロントエンジンに戻したティーポ151で勝負です。

アストン・マーチンはグラハム・ヒル頼みです。市販車ベースでのエントリーです。

ジャガーはEタイプにて復帰です。しかし、競争力は低そうです。

 

レースでは、アストン・マーチンのグラハム・ヒルが先頭に立ちます。

しかし、やがてジャンドビアン組のフェラーリに首位を奪われます。

ライバルが次々と脱落する中、フェラーリ同士の激しい争いです。

ジャンドビアン/ヒル組の330LM対ロドリゲス兄弟の246SPです。

しかし、残念ながら兄弟の246SPはトラブルで脱落し、またしても勝利は

ジャンドビアン/ヒル組に手中に入りました。

フェラーリはメーカー最多記録を樹立し通算6勝目です。

ジャンドビアンはこのレース終了後、引退を発表しました。

 

なお、ジャガーEタイプが意外にも堅実な走りで、4位、5位となり健闘しました。

 

モデル:

 

 

【 1963年大会 】

 

Winner! フェラーリ250P

No21 スカルフォッティ/R・バンディーニ

モデル:ジョリ−モデル 1/43 

 

今年もフェラーリは貪欲に優勝を狙います。

大型ミッドシップカー250Pを製作しサルテに現れました。

昨年までのV12気筒エンジンをミドに搭載しています。

フェラーリは昨年の優勝車両などその他8台ものエントリーで他を圧倒するつもりです。

ライバルはジャガーがEタイプを改良してきました。大幅な軽量化が図られています。

とは言っても、フェラーリへの挑戦は厳しそうです。

 

マセラッティも規模が縮小気味です。

さて今年はアメリカ勢が元気です。

フォードからはマーク6GTの4.7リットルが参戦です。このマシンは後後のフォードGTの始祖となります。

それに続き、あのキャロル・シェビーがV8を担いで登場です。

異色なマシンとしては、ローバーBRMがなんとガスタービンエンジンで登場です。

 

レースは、マセラッティの飛び出しでスタートします。

しかし、フェラーリはあえて誰も追いかけません。どうせ持たないだろうとの計算です。

悲しいかな、フェラーリの読みは当たりマセラッティは3時間でリタイヤです。

 

フェラーリはサーティース組の250Pが絶好調です。危なげない走りで終始トップを守りますが、好事魔多し。

なんと燃料漏れに引火して炎上リタイヤです。(ドライバーは何とか無事でした。)

さて繰り上がったのが、ロレンツォバンディーニ組の250Pです。

今年もフェラーリは上位を独占しており、誰かが倒れても磐石の態勢です。

結局、バンディーニ組が最後まで逃げ切り、フェラーリはその連勝記録を伸ばしました。

また、優勝から6位までフェラーリが占めるなど、その強さは際立っていました。

まさしく、フェラーリ至福の時でした。

 

モデルはジョリーモデル。レジンモデルの完成品メーカーです。

ボディ、ホイルなどは、思いのほか良いのですがなにせ、組み立てがいけません。

タイヤも曲がってついてますし、ライトカバーもずれずれで接着されています。

ここは、ひとつ思い切ってバラバラにしてしまいます。その後一つ一つ丁寧に正しい位置に再接着します。

元はそんなに悪くないので結構ましになります

 

モデル:イクソ 1/43 

 

 

7th(相当)ローバーBRM ガスタービン

No00 グレアム・ヒル/リッチー・ギンザー(情報提供:NGDRIVERさん)

 

なんとエンジンはガスタービンです。

特別出走で、順位関係無しで出場しました。

ゴールした時は、優勝車両よりも大きな拍手があがったそうです。

(観客もフェラーリの連勝に飽きていたのでしょうか(^_^;)?)

 

しかし、ドライバー両氏がこんなに大物だったとは!総合順位もうなづけます

 

モデルはプロバンス。ブリティッシュグリーンが綺麗です。

ホイルがやはりちょっとしょぼいのが残念です。

 

モデル:1/43 プロバンス・ムラージュ

 

 

ジャガーEタイプ ル・マン

No15 B.CUNNINGHAM/B.GROSSMAN(協力:エイトハーフさん)

 

ボディラインは、まずまずです。塗装が若干良くないのが残念です。

また、トレッドと車高がすこし実車イメージと違うようです

本物はトレッドがもっとワイドなイメージで、車高が低くとてもカッコいいです。

 

モデル:1/43 京商

 

 

【 1964年大会 】

 

Winner! フェラーリ275P

No20 グーノン/バッカレラ

 

フェラーリ天下が太平と思われましたが、アメリカから黒船来襲です。

フォードがついにその気になったのです。

フォードは4.2リットルV8エンジンのフォードGTを開発しました。

さらに、キャロル・シェビーはコブラのクローズト仕様を投入です。

フェラーリは様々なタイプを持ち込みました。

330P,275P,275LM等です。

 

レースが始まると、サーティースの330Pがトップに立ちますが、やがて最高速に勝るギンザーのフォードが、

サーティースを捕らえます。

しかし、ここから苦しいフォードです。

ギンザーはやがてギヤが壊れてリタイヤし、他号車も炎上するなど脱落です。

サーティース組も磐石ではありません。燃料トラブルで後退です。

とはいっても、上位を独占しているフェラーリです。

その後は、グーノン/バッカラレラ組の275Pが繰り上がり、そのままトップを譲ることなくチェッカーを受けました。

フェラーリは2位、3位にも入賞し表彰台を独占しました。連勝記録も5と伸ばしフェラーリ帝国の力を見せつけました。

 

イタリア敗戦からほぼ10年。

イタリア復興の象徴であったフェラーリは、日本の我々が味わうより遥かに早くその復興・復活の味をせしめたのでした。

怒涛のサルテ5連勝をもって。

 

ただ、その栄光の足元にフォードが陰を落していたのも事実でした。

そして、彼らの栄光ゆえの苦しみの序章が始まるなど、誰が想像したでしょう。

 

モデル:イタリアのデルプラドみたいの 1/43